※楽天ブログにて掲載されていた作品のリメイクです※
『intermedio:Stage:1 台所にて、冷やしパスタ&フライパンの威力』
※インテルメディオ:intermedio、意味は幕間※
『いいかソフィアちゃん、パスタの水切りはこう、さっと湯を切った後氷をすぐさま入れてすぐさま取り出して、パッ、と。速さが大事なんだ』
『えっと、こう?』
『ん、もうちょい力強く、パシィッ、って感じが望ましかったりする』
『えぃっ』
『そうそう。その調子で、ぱっぱっぱっ、っと』
『えいっ。あれ、急に軽く……』
『ツメテアァ嗚呼ァ亜ァァあ!!!!?』
『ゼ、ゼクシオンさんっ!?』
――ちょっと涙に塗れた、ゼクシオンのメモ――
○月○日、昼。晴れ。
今日は依頼人様ことソフィア嬢が、先日食べた冷やしパスタに甚く感動していたので作り方を教えることに。
自慢じゃないが、ほとんどの料理は出来ないものの、ことパスタに関しては天才的とさえ言える私、ゼクシオン・ノルディが指導。
ソフィア嬢も長い間一人暮らしをしていたということもあって、何処ぞのギャグ漫画のようにパスタをぶちまけることなく茹でていた。
言ってしまえば、一連の作業で危険なことと言えば唯一火を扱うこの瞬間だけだ。
それも終わり、私は油断していたと言ってもいい。
そ の 時 、 事 件 は 起 こ っ た の だ 。
冷やしパスタの要たる湯切り及び冷やしの際だ。
しゃっきりとした触感にひやりとし、かつ冷たすぎないパスタの要、湯きり。及び冷やし。
その最中、強く振るのがいいと教えてしまった私の指導ミスなのか、よりによって強く振りすぎ、パスタが、パスタが……。
……氷と一緒に、物凄い勢いで顔に叩きつけられた。
……パスタって意外と、痛いんですね?
『あ、あの、ゼクシオンさん? 大丈夫ですか、というかさっきから何を見ているのですか?』
『ン、あァ、いやね。エプロン姿が随分様になってるなぁって』
『……それにしてはな、何か、他のところに目が行ってるようなーって』
『それはほら、エプロン姿の背中に何かいい感じってのもありますが、いい尻してるなぁっと』
『い、いいお尻って、きゃアアァァッ!』
『うむ、手触りもこう完璧――』
――ばっごん!!!
『おんぬぶるぃあアァァァァ!!?』
――ちょっと血で汚れたゼクシオンのメモ――
○月○日、昼。晴れ。
人の顔にパスタ叩きつけたんだからこう、誠意というものが欲しいじゃあないですか?
いやお金とかそういう問題じゃなくて、適当に悪戯心でも満たしてもらおうかなーって。
それでまァちょっくら悪戯してみたら。
焼けたフライパンで殴り飛ばされるたぁ、思わんかったわ。痛ェ。
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