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此処はこのブログの管理人・黒斗の一室。日々の雑談を記している時もあれば風月投稿所にて行っているPBC『Babel』の話をしている事も在る、そんな一室に御座います。

2025 . 02
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    HN:
    黒斗
    性別:
    男性
    趣味:
    料理全般(専ら食べる方だけどもね)、酒、煙草、コンビニで週刊誌の立ち読みは既に日課、紅茶、等等
    自己紹介:
    この画像みたいな悪党面も悪どい笑いもしていないので注意。髭と顔が濃いのは認めざるを得ない
    最近は特に肩身の狭い喫煙者。
    ついったー
    水球時計
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    さらりと新作:『intermedio:Stage:2 寝床にて、危険がピンチです。』
    一言※甘いような、そうでもないような、まァ良かったらニヤニヤしてけよ






    何事にも焦りとは禁物であり、焦れば焦るほどに物事が巧く確立は低くなる。だから常に落ち着いた精神状態は損では無い。
    さてそれでは何処ぞの漫画に習い、素数を数えよう。そして如何か、この落ち着いていない心境をどうにかしてくれ。
    2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, ……
    ッて落ち着くかィボケェェェェッ! あ、いやでも数えている間は数える以外何も考えなかったから短い間だけ役に立った、かも。
    しかしそれは恒久的な平坦をもたらすわけではないのだから寧ろ役に立たないというか、ええい落ち着けシオン・ノーディ。間違えた、そっちは本名だ。落ち着け、ゼクシオン・ノルディ。クールでお茶目なゼクシオンは先ずこの状況から確認しようじゃないか? 何時ものように、クールに行こうぜ? あァ、1500秒もあれば十分さ。
    ……さていい加減、ウッディ! とか、オレは人間をやめるぞォォォ! とか言ってる程焦りも無くなって来た。
    焦っていると、本当にロクな事が無い。
    大体何だこの台詞の数々は、こんなおかしな表現何処で知ったんだオレ?
    閑話休題(それはさておき)。置かせてくれ。
    最近は喜ばしい事に、ソフィアは悪夢を見なくなって来た。週に一度は飛び起きていた以前とは違い一月に一回程度になっているので、いい傾向だ。
    この調子で快復が進めば悪夢は、ゆっくりとではあるが彼女の中から流れ落ちて、やがては思い出の一つに収まることだろう。
    思うに彼女のアレは、単純に唯一の家族が居なくなった以上に、その悲しみを共有する友人さえ居ない事に起因しているのだとオレは分析している。溜め込まずに誰かに喋った方が気も楽になることはある、ただその喋る相手が居らず、かつ彼女は今までの生活において我が身の事は全て一人でやらなければいけない手前、良く言えばしっかりした、悪く言えば堅過ぎる性格に育ってしまい、一層溜め込むしかなくなるのが悪循環してついにはトラウマが悪夢となり彼女の心を蝕んだ。
    社会のせいだ環境のせいだと知ったかの評論家が言いそうな台詞なので言いたくはないが、まさしくそういうことなんだろうよ。
    それが此処に至って、喋る相手が出来たことにより心にも余裕が生まれ始め、悪循環の流れは正常な方向へと向かい始めたという所だろうか。
    先の出来事において、とある騎士にオレならばきっと彼女をいい方向へ導ける、とお墨付きを頂いたが半分は正解したワケだ。もう半分は外れ。オレだからではなく、この状況において居たのがたまたま、オレだったというだけの話だ。此処に居るのは、気のいい誰かで良かったと思うと少々おセンチな気分になっちまうが、重要なのは彼女の快復なので問題は無い。
    おかげさまでオレの平均睡眠時間もそれに合わせて伸びていっているので、たまに寝惚けるという弊害が出る程度には平和だった。
    今宵もそんな一夜、だったのだが平和過ぎて平和ボケまで併発したらしい。敵意が無いからだとかそういうのを抜きにしても、人一人が近づいてきて、こ、この状況になっても気付かないとは正直、そろそろハンター辞め時かと本気で心配する。
    ――いい加減に現実を直視しよう。
    ベッドの幅が大きいのが災いしたのか如何なのか、オレ一人が横になっても、もう一人分ぐらいはスペースがある。本来ならばそのスペースは寝返りを贅沢に打つためのものなのだが、今はそれが出来ない!
    何故って?!
    ソフィアが今、真横に、居るからだ!
    擬似・ニャンニャン後のシチュエーション気分を味わいつつ、正直罪悪感で胸一杯ですッ。ご馳走様ッ!?
    思えば夜中に起き出してお手洗いへ行っていたのは、なんとなーく意識が捉えていた気もするが生憎と寝ながらでも周囲に気を配れる程器用でもないので、詳細は知ろう筈も無い。違和感を覚えたのは、やけに布団の中が暖かくなってきたところから、寝辛いので寝返りを打とうとしたら何か柔らかいものが身体に当たったんで、はてと思い目を開けてみたら、振り出しに戻る、と。
    ……まァ、大方予想は付くんだよなァ。
    この娘は、普段しっかりしている分何処か反動でも来ているのかというぐらいドジかます時がある。
    それでオレは、冷やしパスタを顔にぶっ掛けられたり、焼けたフライパンで殴られたりしたという経歴がある。後者のはまァ、うん、アレは過剰防衛だと思うのだよおじさんは? ガードしてなかったら酷い火傷ものですよアレ?
    そういうノリで、ただでさえ寝惚けていた彼女は間違えて此処に入ってきたと。ベタベタですね、ハイ。
    普通は間違えないし、大体オレだってそこそこ身長も肩幅もあるんだから寝惚けてたってやらねぇだろ、なーんて思えばコレはひょっとしてひょっとするかもなフラグかと思った時期もありましたが、思い切り寝ていらっしゃる状況では勘違いしようもない。湯たんぽとでも間違えたのかコラ。
    コレは困った。流石に移動させたら起きるだろうし、やましい気持ちは勿論無いが、目を開けたら男が自分の身体を触っているという状況は如何甘く見ても犯罪臭い。
    故に此処でオレが出来る事は、一つだけしかないさ。あんまり宜しい行動じゃ無いのだが、彼女が寝ていたベッドで寝かせてもらおうかね。一緒のベッドで寝ているよりは余程健全だろ。
    平常心を失った状況、ちょっとおセンチになった状況、そしてこの答えに辿り着くまでずーっとこの体勢なので文字通り女の子の寝顔ガン見な状況と言う、彼女を移動させようとしていなくとも危ない現状から一刻も早くエスケープを実行する為、我ながら器用だと思うが背筋を利用して少しずつ後退を開始し――
    ようとして、だがしかし回り込まれてしまった! 脳裏に浮かぶ、ドット絵の数々。
    彼女の手がふいに動いたかと思ったら、まるで抱き枕を抱き込むが如くオレの背中に回される彼女の細腕。
    あーそういや何時もアリアを抱いて寝てるとか言ってて、そのクセが抜けないとかおっしゃってましたね。
    確かに何か抱き込むクセはあるのは確認済みだ、しかしオレが捕縛される日がこようとは、何処かの預言書でも想定外の出来事だろうさハッハッハ。
    現実逃避も許してくれない勢いで続く、ソフィアの静かな猛攻。
    そのまま此方まで寄ってきて、彼女の頭は柔らかくも無い(寧ろ筋肉のせいで硬い)我が胸に押し付けられる。
    コンボ繋がった? え、どないせいと? いや、マジで、どないせいと?
    此処から種も仕掛けも無く、不器用なオレが彼女を起こさず脱出する方法、誰か教えてくれないものかな。
    そんな都合のイイ方法がパッと思い浮かぶでもなく、こうして現状維持が、現実にして関の山ってヤツなのですけれどもね。
    ダメだ。何が駄目って、ちょっと嬉しいんだよコレ。こんな無防備な寝顔が見れるのは、今は亡きご両親とかアリアとか未来の旦那さん以外はオレだけだぜ? つまり今は世界でオンリーワンだぜ? アリアとやらが居たら間違いなくオレってば殺されるぜ?
    あ、出来れば結婚式には呼んで頂きたい。この時のエピソード語って、あの子も今やこんなに立派になってとかいうスピーチを、目薬持参でやってやる。
    ……ハァ。もういい、開き直ろう。開き直るしか無ェよ。選択肢が択一なんだよ。
    人のこと抱き枕代わりにするんならこっちも湯たんぽ代わりにしちゃるわい。朝が怖いわい。
    しかしねこう、人の寝顔見てると眠くなってくる性質なもので、さっきから意識がぼんやりしてきてる。何か色々どうでもよくなってきた。
    誰かと一緒に、こんな様で一緒に寝るだなんて何年ぶりだろうか。意識がぼんやりしてきただとか、人の寝顔見てるとどうだとか、言い訳を作ってしまう自分が居るのもまた事実で、そんな事実に腹も立たない甘さがどうしようもなく、へたれだ。
    片手を上げて、彼女の髪をゆっくりと漉くように撫でれば手に帰ってくるのは柔らかく、そしてほんのりと甘いシャンプーの香り。
    たまには、こういうのもいいかも。
    たまには。人生に一回ぐらいは、こういう掛け値無しのオヤスミを経験しても、いいかもしれない。恋人だとか、そうじゃないにしろ娘だとか、そういうのがオレに居たらこういうのかもしれない。
    本当にダメだ今夜のオレ。何か今のオレ、きっと素晴らしいぐらいに弱い。
    一つ、二つと撫でているうちに眠気は加速し、意識がぼんやりと霞んで行く。三つ、四つと撫でているうちに瞼は閉じて、蕩けた脳に届く甘い香りを感じ、
    五つ、六つでその匂いに引き摺られるかのように意識はゆっくりと下降して、七つ目から先は、記憶が、無くなった。
    嗚呼。最後に、一つだけ。オヤスミ。


    ――血痕が所々に付着している、ゼクシオンのメモ――
    ○月○日。晴れ。
    朝起きたら、顔を真っ赤にしたソフィアに張り倒された。
    何で張り倒されなくちゃいけねぇんだとか、潜り込んできたのはそっちだろとか、
    状況打破を早々に諦めた挙句添い寝かましてたオレが言える筈も無く。
    ……成る程、こういうオチか。
    と、マジで痛む頬を抑えつつ朝飯を食う他無いのだった。

    追記。
    緩みがちだった奥歯が、ついに抜けた。

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